既卒から大手企業は無理？採用されやすい業界・職種と大手企業に就職する5つの手順を解説

既卒から正社員へ就職するときに、会社として安定している大手企業を目指す方は多いです。

しかし、既卒には社会人としての実務経験がなく、大手企業へ就職できるのか気になるのではないでしょうか。

この記事では、既卒から大手企業への就職は無理なのか、ということについて解説します。

既卒から大手が無理と言われる理由や、就職を成功させる手順なども併せてご紹介するので、ぜひ最後まで参考にしてみてください。

既卒から大手企業への就職は無理？

職歴のない既卒からでも大手企業へ就職することは可能です。実際に既卒でも積極的に採用している大手企業はあり、内定を獲得している方も多くいます。

特に、従業員数が1,000人以上の大手企業は、積極的に既卒を採用している傾向にあります。

リクルートキャリアが発表している「就職白書2020」によると、従業員数別の既卒採用実施率は以下の通りです。

300人未満	32.3%
300人～999人	33.5%
1,000～4,999人	48.3%
5,000人以上	53.7%

このように既卒から大手企業へ就職を目指すことが可能ですが、「全ての大手企業を目指せる」というわけではありません。

既卒から大手企業への就職を目指すときは、企業を選別してエントリーすることが重要です。

既卒から大手企業が無理と言われる理由

既卒でも大手企業へ就職できますが、無理と言われることがあります。

既卒から大手企業への就職を目指すうえでは、「なぜ、無理と言われるのか」ということを把握することも大切です。

既卒が大手企業への就職を無理と言われる理由をいくつかご紹介します。

新卒と差別化することが難しい

既卒が大手への就職を無理と言われる最大の理由は、新卒と差別化できないことです。既卒として新卒応募した場合、新卒よりも魅力的な人材だと思われる必要があります。

しかし、社会人経験のない既卒が、新卒より魅力的な人材だとアピールすることは難しいです。

企業によっては新卒・既卒をそれほど気にしませんが、同じ評価だった場合は年齢の若い新卒を選ぶ傾向にあります。

社会人経験がない

企業にとって社会人経験がないことは、かなりの懸念点となります。

既卒として新卒応募する場合も中途応募する場合も、社会人経験がないことは不利に働き、その結果「既卒から大手は無理」と言われると考えられます。

また、社会人経験のないことから「職場に馴染めるのか」ということも懸念されます。

大手企業ほど協調性を大切にする傾向があるので、注意してください。

すぐに辞めてしまう可能性が高い

既卒になった理由は人それぞれですが、企業からは「就活が難航した・社会人になることを拒んだ」など、ネガティブな理由をイメージされることが多いです。

そのため「すぐに辞めてしまう可能性が高い」と判断されて、採用を見送られることが考えられます。

企業は早期離職されることを最も懸念しているため、すぐに辞めてしまう可能性が高いと判断されると、大手への就職は無理だと考えられます。

既卒から大手企業への就職を実現するには、ネガティブな印象を払拭し、採用を目指す必要があります。

既卒でも採用されやすい業界・職種

既卒から大手企業への就職を目指す場合は、既卒でも採用されやすい業界・職種を狙うことがおすすめです。

業界・職種によっては「既卒は無理」というケースがあるので、事前に理解しておくことが大切になります。

既卒でも大手企業から採用されやすい業界と職種についてそれぞれご紹介します。

既卒でも採用されやすい業界

基本的にどの業界でも既卒を採用している大手企業はありますが、採用されやすいのはIT・メーカーの2つです。

IT業界については人手不足が深刻化しているため、社会人経験がない既卒でも積極的に採用している企業が多いです。

メーカー業界は、食品や自動車、電化製品などのモノを製造・販売する企業が属する業界で、製造業とも言われています。

メーカー業界は未経験でも働けるように業務がマニュアル化されていて、既卒でも受け入れている大手企業が多いです。

メーカー業界であれば食品・機械・住宅・自動車など、どの業種でも既卒から就職しやすくなっています。

既卒でも採用されやすい職種

既卒でも採用されやすく目指しやすい職種は、ITエンジニアと営業職です。

ITエンジニアについては、独学でも実践的なスキル・知識を身に付けられるため、社会人経験がない既卒でも就職しやすいです。

また、ITエンジニアは人手不足が深刻化しているため、完全未経験でも求める企業が多くなっています。

営業職は学歴や職歴よりもコミュニケーション能力などのポテンシャルが重視されます。求人数においても営業職が最も多くなるので、既卒におすすめの職種です。

大手企業に就職しやすい既卒の特徴

大手企業に就職している既卒には、いくつか共通している特徴があります。

ここでは、大手企業に就職しやすい既卒の特徴をいくつかご紹介します。

既卒から大手企業の就職を実現するためにも、以下の特徴を参考にしてみてください。

ポジティブな理由で既卒になった人

ポジティブな理由で既卒になった人は、大手企業に就職しやすいです。

例えば、「留学していた」「何かのプロを目指していた」など、ポジティブな理由で既卒になった場合は、企業への印象が悪くなりません。

反対に「内定がもらえなかった」「社会人になりたくなかった」などのネガティブな理由で既卒になった場合は、大手企業へ就職しにくいです。

ただし、その経験を活かして成長した点を明確に伝えることができれば、企業への印象は悪くなりません。

実践的なスキルがある

既卒でも実践的なスキルがある場合は、大手企業に就職しやすくなっています。

実践的なスキルを有していれば、社会人経験がなくても「今後活躍できる見込みがある」と判断してもらうことができます。

具体的には、動画編集スキルやSNS運用のスキル、会計処理のスキルなどが挙げられます。

また、実践的なスキルは新卒と差別化できる要素で、活躍できるビジョンをイメージしてもらいやすいです。

既卒から大手企業への就職を目指す場合、実践的なスキルを身に付けることも1つの方法になります。

既卒の期間が短い

大手企業に就職しやすい既卒の特徴として「既卒の期間が短い」ということが挙げられます。

既卒の期間が長ければ長いほど、企業はマイナスのイメージを抱きます。

特に、大手企業は決まった期間で成果を出せる人材を求めているため、既卒の期間が長いことは懸念点となります。

また、年齢が若ければ若いほど就職しやすいです。既卒の期間と年齢は比例するため、1日でも早く就職活動を始めることが大切になります。

既卒から大手企業に就職する5つの手順

既卒から大手企業への就職は無理ではありませんが、工夫しながら就職活動することが求められます。

特に、就職する企業や入社条件などに希望がある場合は、より工夫する必要があります。

既卒から大手企業に就職する5つの手順をまとめてご紹介します。

ただ就職活動するだけでは大手企業は無理なので、以下の手順通りに進めることをおすすめします。

①既卒向けの転職エージェントに登録する

既卒から大手企業への就職を目指すうえで重要なことが、転職エージェントに登録して1人で進めないことです。

既卒の就職活動は流れや応募方法が少し異なるため、1人で取り組んでしまうとスムーズに進みません。

そのため転職エージェントに登録して、担当アドバイザーと二人三脚で進めることが大切です。

担当アドバイザーからは、既卒就活の進め方から大手企業の求人紹介、ESの添削などさまざまなサポートを受けられます。

大手企業への就職を目指す場合、ハイレベルな戦いになることが多いため、専門家になる転職エージェントを活用すべきです。

②自分の強み・スキルを洗い出す

既卒から大手企業への就職を目指す2つ目の手順が、自分の強み・スキルを洗い出すことです。

社会人経験をアピールできないため、ポテンシャル的な強みや、実践的なスキルを洗い出し、明確にアピールすることが大切になります。

また、就職したい大手企業に合った強み・スキルを洗い出すことも大切です。

例えば、IT系の大手企業への就職を目指すのであれば、ITリテラシーが高いことや学生時代にIT企業のインターンに参加したことなどは、強みとして挙げられます。

もし、資格を取得できていれば、その資格を通じて強み・スキルをアピールすべきです。

③就職したい条件を設定する

既卒から大手企業に就職するために忘れがちな手順が、就職したい条件を設定することです。

「大手企業に就職したい」というだけでは、専門家になる転職エージェントであっても求人紹介することが難しくなります。

具体的な条件を設定することが大切で、希望がない方でも以下の条件は設定すべきです。

この5つは的確な求人紹介・就職サポートを受けるうえで必要な情報となります。

働き方や残業時間なども設定して良いですが、条件が多すぎると求人紹介を受けられないので、条件を設定しすぎることには注意してください。

④幅広くエントリーする

既卒から大手企業に就職する4つ目の手順が、幅広くエントリーすることです。

大手企業への就職を目指す場合、大手企業にしかエントリーしない方が多いのですが、中小企業やベンチャー企業も併せてエントリーすることが大切になります。

「既卒の期間が長引く」というリスクを避けるためにも、幅広くエントリーすることが大切で、中小企業やベンチャー企業を受けることは面接練習にもなります。

大手企業への就職を実現するためにも、大手以外へのエントリーが必要です。

⑤既卒ならではの選考対策を行う

既卒から大手企業に就職する最後の手順が、既卒ならではの選考対策を行うことです。

既卒として就職活動した場合、既卒だからこそ聞かれる質問や、懸念されることがあります。そのような質問や懸念点をクリアする必要があり、既卒ならではの選考対策が大切です。

特に、面接選考は時間をかけて対策するようにしてください。

転職エージェントの担当アドバイザーと練習を繰り返して、既卒であることをプラスに変えられるほど対策できると、大手企業への就職も近づきます。

大手企業に就職できる既卒向けの転職エージェント

既卒から大手企業へ就職するには、既卒向けの転職エージェントを活用することが必須です。

担当アドバイザーからサポートを受けるだけで、大手企業への就職成功率がグンと高くなります。

また、基礎的なことから、面接で好印象を与えるコツなどもアドバイスしてくれるため、就職活動の経験がない方でも安心です。

大手企業に就職できる既卒向けの転職エージェントをご紹介します。

【80%以上の求人が未経験OK】ハタラクティブ

ハタラクティブはフリーターや既卒に特化した転職エージェントです。

取り扱っている求人の80%以上が未経験でも応募でき、大手企業の求人も豊富に取り扱っています。実際に登録者の80%以上が大手企業への就職を成功させているようです。

また、ハタラクティブは丁寧なカウンセリングが好評です。

既卒就活に関する知識がない方や就職したい業界・職種が定まっていない人でも、丁寧にカウンセリングしてくれるため、安心して就職活動を進めることができます。

対応地域	全国（一部地域を除く）
拠点	東京・神奈川・愛知・大阪・福岡
サポート方法	対面・オンライン・LINE
運営会社	レバレジーズ株式会社
公式サイト	ハタラクティブ＞

【内定後のサポートまで手厚い】DYM就職

DYM就職は社会人経験のない既卒・フリーターに特化した転職エージェントで、内定後のサポートまで手厚いことが特徴の1つです。

内定後の入社条件交渉や、入社日の調整、入社手続きまで担当アドバイザーがサポートしてくれるため、納得した条件での就職を実現できます。

また、入社しても担当アドバイザーがフォローしてくれるため、初めて正社員になる方でも安心して働くことが可能です。

大手企業から中小企業、ベンチャー企業まで幅広く取り扱っていることもDYM就職の特徴になります。

対応地域	全国（一部地域を除く）
拠点	北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福
サポート方法	対面・オンライン
運営会社	株式会社DYM
公式サイト	DYM就職＞

【完全オーダーメイド型の就職サポート】UZUZ

UZUZは登録者一人ひとりに合わせた完全オーダーメイド型の転職エージェントです。

20代の就職支援の実績が豊富で、エントリーした企業を想定した面接対策を受けることができます。

今までの経歴や面接における弱点に合わせて対策してもらえるため、転職経験がない方でも面接選考を通過しやすいです。

また、UZUZでは厳しい自社基準で取り扱う企業を判別しています。

若手の離職率が高い企業や求人情報と大きく異なる企業などは排除されているため、転職後に後悔・離職する可能性は低いです。

対応地域	全国
拠点	東京・大阪
サポート方法	オンライン・対面・LINE
運営会社	株式会社UZUZ
公式サイト	UZUZ

話す、気づく、変わる就職活動を【ウズキャリ既卒】

【最短2週間で内定を獲得できる】キャリアパークFor20’s

キャリアパークFor20’sは、既卒・第二新卒に特化した転職エージェントで、最短2週間での内定獲得を目指すことができます。

既卒の内定までの平均期間は3カ月と言われているため、最短2週間での内定獲得はかなり早いです。

書類選考が免除されたり、いきなり二次面接から始まる求人を紹介してもらうことができるため、短期間で内定を獲得できます。

また、担当アドバイザーの面談や選考対策はオンラインで受けることができ、応募した企業によっては最終面接までオンラインで完結します。

対応地域	全国
拠点	東京都
サポート方法	オンライン・対面
運営会社	ポート株式会社
公式サイト	キャリアパークFor20’s＞

既卒から大手企業に就職するコツ

既卒から大手企業に就職するために知っておきたいコツをいくつかご紹介します。

無理だと言われている大手企業への就職を成功させるためにも、以下のコツを参考にしてみてください。

既卒になった理由を用意する

既卒を採用するうえで懸念される点が、「なぜ、既卒になったのか」ということです。

この理由によって印象が大きく変わるので、既卒になった理由を用意するようにしてください。

曖昧な理由を伝えてしまうと、マイナスの印象を与えることになります。

既卒になった理由を伝えるときは、以下の内容を抑えてようにしてください。

この4つの内容を明確に伝えられると、既卒であることもプラスの印象に変えられる可能性が高くなります。

人手不足の業界を狙う

既卒から大手企業に就職するコツとして、人手不足の業界を狙うことが挙げられます。

人手不足の業界は若手の人材を求めている傾向があり、新卒・既卒に関わらず、積極的に採用している企業が多くなっています。

2023年時点で、人手不足の業界は以下の通りです。

この中でもIT業界は人手不足が深刻化していて、2030年には80万人近いITエンジニアが不足すると言われています。

今のうちに若手人材を採用しようと動いているIT企業も多いので、希望する業界がない既卒にはIT業界がおすすめです。

引用元：人手不足が深刻化している業界

実践的なスキルを身に付ける

実践的なスキルを身に付けることは、大手企業に就職するコツの1つです。

社会人経験がなくても、会社で活かせる実践的なスキルを身に付けていれば、新卒と差別化できるため、大手企業へ就職しやすくなります。

例えば、プログライング言語を習得すれば、実践的なスキルとしてアピールできます。他にも、接客経験や高いコミュニケーション能力、語学力なども高く評価されるスキルです。

また、需要の高い資格を取得することも1つの方法です。資格は就職活動で高く評価してもらうことができ、その取得過程をアピールすることもできます。

転職エージェントを最大限に頼る

既卒から大手企業に就職するために知っておきたい最後のコツが、転職エージェントを最大限に頼ることです。

キャリアアドバイザーは転職支援の専門家で、企業の採用担当者目線でアドバイス・サポートを行ってくれます。

ESの添削から求人紹介、面接対策など、担当アドバイザーを頼れることは最大限に頼るようにしてください。

また、複数の転職エージェントに登録することもおすすめです。複数の転職エージェントに登録することで、専門家が2人付くことになります。

転職エージェントによって取り扱っている大手企業にも違いがあるので、複数登録する就職成功にもつながります。

実際に既卒を採用している大手企業一覧

最後に、実際に既卒を採用している大手企業をまとめてご紹介します。

これらは、求人情報を調べられる就活サイトのリクナビ2024を参考に、既卒の採用を受け入れている、従業員数500人以上の企業だけをピックアップしています。

中でも就職先として人気のある大手企業3社の募集要項について詳しくご紹介します。

パナソニック

パナソニックは、日本を代表する大手電機メーカーです。

パナソニックでは、新卒採用として既卒も応募できるようになっていて、営業からマーケティング、人事、生産管理など多くの職種にエントリーできます。

また「〇年以内の既卒者のみ応募可」などと記載されていないため、卒業後4年以上経っている方でも応募できると考えられます。

パナソニックでは子会社でも新卒採用に応募できるようになっているため、既卒からでも就職を目指しやすいです。

大和ハウス工業

大和ハウス工業は、業界トップクラスのハウスメーカーです。大和ハウス工業では、新卒採用として既卒が応募できるようになっていますが、卒業後3年以内と定められています。

そのため卒業後、4年以上の既卒は大和ハウス工業の新卒採用にはエントリーできません。

大和ハウス工業の魅力は採用人数が多いことなので、3年以内の既卒者にはおすすめの大手企業です。

良品計画

良品計画は、国内に約500店舗ある「無印良品」を運営している大手企業です。

良品計画の採用では、既卒者コースという採用枠が設けられています。入社時点で30歳未満の方はエントリーが可能で、給料についても新卒扱いにはなりません。

既卒者を対象にした採用枠を設けている大手企業は少ないので、良品計画は既卒から就職を目指しやすい大手企業になります。

既卒から大手は無理ではない｜まとめ

この記事では、既卒から大手企業は無理なのか、ということについて詳しくお伝えしました。

既卒から大手企業への就職は無理と言われることがありますが、既卒でも大手企業を目指すことができます。

実際に従業員数が1,000を超える大手企業に関しては、約50%の企業が既卒でも積極的に採用しています。

しかし、社会人経験がないことや新卒と差別化が難しいため、転職エージェントを活用して工夫しながら就職を目指すことが大切です。

既卒から大手企業への就職を目指している方は、今回お伝えした内容を参考にしてみてください。